サラリーマンが節税対策できる裏ワザ13選を紹介！節税の条件や注意点も解説します！

「サラリーマンができる節税対策って何がある？」

そのようにお悩みではありませんか？

当記事ではサラリーマンができる節税対策について13個紹介していきます。

また節税するための条件や裏ワザ、注意点についても詳しく解説していきます。

節税対策が気になるサラリーマンは、ぜひ参考にしてみてください。

サラリーマンの控除制度を使った節税対策9選！

まずは控除制度を使った、サラリーマンに向いている節税対策を9つ紹介します。

それぞれ控除を受けられる条件や内容が異なるので、事前にチェックしておきましょう。

利用できそうな控除制度を見つけてみてください。

年末調整で受けられる控除

年末調整することで受けられる控除制度について解説します。

給与所得は、その他所得同様に所得税が課税されます。

所得税の税率は、「給与収入から所得控除を差し引きした金額」を基準として決定される仕組みです。

そのため給与収入から差し引ける所得控除を増やすと、節税対策に繋がります。

扶養控除

扶養控除は、子供や親など控除対象の扶養親族がいる場合に受けられる控除のことを指します。

控除対象に当てはまる人の範囲は以下のとおりです。

控除額は扶養対象の人の条件に合わせて、以下のように異なります。

区分	要件（その年の12月31日時点での年齢）	控除額
一般の控除対象扶養親族	16歳以上	38万円
特定扶養親族	19歳〜23歳未満	63万円
老人扶養親族	70歳以上/同居老親等以外のもの	48万円
老人扶養親族	70歳以上/同居老親等のもの	58万円

なお老人扶養親族の場合、病気等で入院していて別居状態の場合、同居として扱われます。

ただ老人ホームで暮らしている場合は、同居扱いになりません。

配偶者控除

配偶者控除は、年間の合計所得が48万円以下の配偶者がいる場合に受けられる控除です。

配偶者控除の条件と控除額は以下のとおりです。

控除を受ける人の合計所得金額	控除額
900万円以下	一般の控除対象配偶者：38万円 老人控除対象配偶者（70歳以上）：48万円
900万円超〜950万円以下	一般の控除対象配偶者：26万円 老人控除対象配偶者（70歳以上）：32万円
950万円超〜1,000万円以下	一般の控除対象配偶者：13万円 老人控除対象配偶者（70歳以上）：16万円

また配偶者の給与収入が103万円を超えた場合でも、収入が201.6万円未満であれば、給与者の所得金額に応じた控除が受けられます。

この制度は「配偶者特別控除」と呼ばれ、控除額は以下のとおりです。

配偶者の所得金額	控除を受ける人の所得金額 （900万円以下）	控除を受ける人の所得金額 （900万円超〜950万円以下）	控除を受ける人の所得金額 （950万円超〜1,000万円以下）
48万円超〜95万円以下	38万円	26万円	13万円
95万円超〜100万円以下	36万円	24万円	12万円
100万円超〜105万円以下	31万円	21万円	11万円
105万円超〜110万円以下	26万円	18万円	9万円
110万円超〜115万円以下	21万円	14万円	7万円
115万円超〜120万円以下	16万円	11万円	6万円
120万円超〜125万円以下	11万円	8万円	4万円
125万円超〜130万円以下	6万円	4万円	2万円
130万円超〜133万円以下	3万円	2万円	1万円

配偶者特別控除の幅は非常に広く、1万円から38万円と金額に大きな差が出ます。

納税者本人の所得や配偶者の所得金額が低ければ低いほど、高額の控除が受けられます。

生命保険控除

生命保険控除は、生命保険料を支払っている場合に受けられる控除です。

所得控除を受けられる要件は以下のとおりです。

保険の種類	要件
生命保険料控除	死亡・高度障害など万が一に備えるための生命保険の保険料
個人年金保険料控除	個人年金に加入したときの保険料
介護医療保険料控除	入院・通院・介護などを保障する医療保険や介護保険等に支払う保険料

2012年1月1日以降に契約した場合は、以下の控除額が適用されます。

年間の支払い保険料	控除額
2万円以下	支払い保険料全額
2万円超〜4万円以下	支払い保険料×1/2+1万円
4万円超〜8万円以下	支払い保険料×1/4+2万円
8万円超	一律4万円

生命保険料控除、個人年金保険料控除、介護医療保険料控除はそれぞれ上記の控除額が適用されるため、最大12万円の控除額になります。

また2011年12月31日以前に契約している場合は、以下の控除額が適用されます。

年間の支払い保険料	控除額
2万5千円超〜5万円以下	支払い保険料×1/2+1万2,500円
5万円超〜10万円以下	支払い保険料×1/4+2万5,000円
10万円超	一律5万円

加入した時期や加入している保険の種類をチェックしてみてください。

地震保険控除

地震保険控除は、納税者または納税者と生計を同じくしている配偶者が地震保険に入っている場合の料金が控除される制度です。

納税者の親族が所有している居住用建物や家財も保険の対象として認められます。

地震保険控除の控除額は以下のとおりです。

支払っている保険料	控除額
5万円以下	保険料の全額
5万円超	5万円

確定申告が必要な控除

年末調整後に適用される控除について解説します。

年末調整を終えた後でも、確定申告すれば控除できる制度があります。

ただ、医療費や寄付金などは支払ったから必ず控除できるとは限りません。

控除できるか不安な場合は、税務署等に問い合わせてみると良いでしょう。

医療費控除

医療費控除とは、納税者がその年の1月1日から12月31日の間に支払った医療費が一定額を超える場合に利用できる制度です。

納税者本人だけでなく、生計を同一にする配偶者や親族のために支払った医療費も対象となります。

医療費控除の控除額は以下のとおりです。

医療費控除額（上限200万円）：実際に支払った医療費の合計から医療保険等で補填された額を抜いた金額−10万円
※総所得金額が200万円の場合は、10万円ではなく総所得の5％が控除対象になります。

未払いの医療費がある場合は、実際に支払った年の医療費控除となるので注意してください。

また医療費控除の対象となる主な医療費は以下のとおりです。

なお健康診断の費用や医師への謝礼、健康増進のために用いるものは対象外となります。

セルフメディケーション税制

セルフメディケーション税制は、薬局やドラッグストアなどで購入できるOTC医薬品の購入費用のうち、12,000円を超える部分が控除対象となる制度です。

セルフメディケーション税制は、自分自身で健康管理をするセルフケアを促進することを目的としています。

そのため利用する際は、予防接種や健康診断の受診など、健康のための取り組みが必要です。

医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できない点は注意してください。

住宅ローン控除

住宅ローン控除とは、マイホーム購入やリフォームのために住宅ローンを利用した場合に、所得税と住民税の一部が控除される制度です。

年間で最大40万円、最長で約10年間、年末残高の1%を所得税や住民税から控除できます。

ただ誰でも利用できるわけではなく、一定の要件を満たさなくてはなりません。

住宅ローン控除を受けるための条件は以下のとおりです。

住宅ローンの控除額は以下のとおりです。

なお住宅ローンの控除額は入居時期によって異なります。

居住開始時期	〜2014年3月	2014年4月〜2021年12月	2019年10月〜2022年12月 （消費税10%で購入した場合）
控除期間	10年	10年	13年
控除率	1%	1%	1%
最大控除額	最大200万円	最大400万円	1年目〜10年目：最大400万円 11年目〜13年目： 住宅ローン残高or住宅の所得対価（上限4,000万円）or建物の取得価格
住民税からの控除上限額	97,500円/年	136,500円/年	136,500円/年

特定支出控除

特定支出控除は、仕事に関連する項目で自己負担が一定金額を超えると、控除が受けられる制度です。

該当する項目は以下のようなものがあります。

項目	内容
通勤費用	通勤時にかかる費用
職務上の旅行費用	勤務地を離れて仕事するための旅行費用のうち、必要と認められる経費
転居費用	転勤に伴う転居のための費用
研修費用	職務に必要な技術や知識を身につけるための費用
資格取得費用	職務に必要な資格を得るための費用
帰宅旅費	単身赴任などで勤務地が自宅以外の場合の移動費用
勤務必要経費	職務に関する書籍の購入費用制服など衣服の購入費用接待費や贈答費用など

なお特定支出控除を受けるためには、給与支払者の証明が必要です。

雑損控除

雑損控除は、地震や火事、害虫による被害や自然災害、人の行為が要因となる災害による損害を受けた場合に適用できる控除制度です。

雑損控除を受けられる対象者は、納税者または納税者と家計を同一にする配偶者や親族で、総所得金額が48万円以下の人に限られています。

雑損控除の対象となる資産は以下のとおりです。

生活に通常必要とされない装飾品や別荘、貴金属等は対象となりません。

雑損控除の控除額は、以下の計算式で多い金額が適用されます。

①（差引損失額）−（総所得金額等）×10%
②（差引損失額のうち災害関連支出の金額）−5万円

なお差引損失額とは、損害金額と災害関連支出金額の合計から、保険金で補填される金額を差し引いた金額を指します。

また所得控除額が大きく、その年の所得金額から控除できない場合は、翌年以降3年間であれば繰り越しが可能です。

サラリーマンの投資・寄付を使った節税対策4選！

投資や寄付を使ったサラリーマン向けの節税対策を4つ紹介します。

資産形成や老後の資金集めも同時に行いたい人におすすめの方法です。

それぞれ節税効果やメリットが異なるため、自分に合ったものを選んでください。

不動産投資

不動産投資とは、何らかの不動産物件を購入して貸し出し、家賃収入を得る投資方法のことを指します。

不動産投資で節税できるのは、減価償却費を利用できるためです。

減価償却費とは、固定資産の購入額を耐用年数に合わせて分割し、費用として計上するための科目です。

現金の支出を伴わない経費となり、帳簿上では不動産所得が赤字になることもあります。

赤字になった所得は、黒字の給与所得と合算できるため、全体の所得を下げるのに役立ちます。

全体の所得が減ることで結果的に節税となる仕組みです。

*1フルローンを組んだ場合に初期費用として1件あたりに発生します。
*2条件・上限あり

NISA・つみたてNISA

NISAは少額投資非課税制度と呼ばれ、口座で運用して得られた収益に税金がかからない制度です。

NISAには、通常のNISAとつみたてNISAがあります。

それぞれの違いや非課税期間は以下のとおりです。

NISAの種類	NISA	つみたてNISA
利用できる人	日本に住んでいる20歳以上の人	日本に住んでいる20歳以上の人
非課税期間	5年間	20年間
上限非課税額	年間120万円	年間40万円
運用できる商品	国内外の株式投資信託国内外のREITなど	金融庁が定めた投資信託など

非課税期間や上限額に違いがあるため、目的に合わせたものを選びましょう。

iDeCo

iDeCoは個人型確定拠出年金と呼ばれ、老後の資産形成を目的とした制度です。

自分で選んだ金融機関に毎月積み立てを行い、運用商品を選んで60歳まで資産運用します。

掛金は全額所得控除となるだけでなく、運用益には税金がかかりません。

また積み立てた金額を受け取るときも税制優遇が用意されています。

ただ60歳まで引き出しができない点に注意が必要です。

ふるさと納税

ふるさと納税は、自治体に寄付することで寄付金の控除を受けられる制度です。

控除上限額の範囲内であれば、寄付した金額が翌年の住民税から控除されます。

寄付した金額に応じて自己負担2,000円で、名産品や日用品が手元に届くメリットもあります。

サラリーマンの裏ワザ節税対策！

サラリーマンができる節税対策の裏ワザについて解説します。

それぞれ節税できる条件や節税効果が異なります。

ここでは3つの方法を解説するので、自分に合った方法を試してみてください。

親を扶養に入れる

裏ワザ1つ目は、扶養控除の対象にできる親族を扶養に入れる方法です。

年齢が高い親族がいる場合は、収入状況を確認し扶養に入れることをおすすめします。

親を扶養に入れた時の節税効果

親を扶養に入れると、所得税や住民税の控除が受けられます。

親を扶養に入れた場合の節税効果は以下のとおりです。

区分	要件（その年の12月31日時点での年齢）	控除額（所得税）	控除額（住民税）
一般の控除対象扶養親族	16歳以上	38万円	33万円
老人扶養親族	70歳以上/同居老親等以外のもの	48万円	38万円
老人扶養親族	70歳以上/同居老親等のもの	58万円	45万円

年末調整に間に合わなくても、確定申告することで還付金を得られる場合もあるので、早めに確認してみてください。

親が扶養対象となるための条件

親が扶養対象になる条件は以下のとおりです。

なお75歳以上の場合は、後期高齢者医療制度に加入することになるため、扶養家族からは外れてしまいます。

青色申告を行う

青色申告とは、確定申告の種類の1つで、所得税を正しく納税するための制度です。

青色申告では、所得金額を正しく報告するために日々の取引状況を記録した帳簿が必要になります。

さらにそれらの書類を保存しておく必要があります。

青色申告の節税効果

青色申告の節税効果は以下のようなものがあります。

帳簿で記録することで、最大65万円/55万円の特別控除が受けられます。

なお単式帳簿による記帳であれば、10万円の控除が受けられます。

税金の対象となる所得が少なくなるため、節税効果が期待できるのです。

家族が仕事を手伝っている場合など、生計を同一にしている15歳以上の配偶者や親族に対して給与を支払っている場合は、その金額を必要経費として算入できます。

ただ、税務署に届出を行わなくてはならず、適正な金額であると認められなくてはなりません。

また30万円未満のものであれば一括で全額経費として申告できます。

所得金額を減らせるため、所得税対策になります。

青色申告の注意点

青色申告は、複式簿記による記帳を行い、貸借対照表と損益計算書を作成して提出しなくてはなりません。

複式簿記は複雑で、一定の簿記の知識が必要になります。

また日々の取引内容をこまめに記録しなくてはなりません。

ただ近年では簿記の知識がなくても帳簿作成できるソフトなどが開発されています。

簿記の知識がないけれど節税したい人は、ソフトを使って作成してみると良いでしょう。

クレジットカードで税金を支払う

クレジットカードで税金を支払う方法もおすすめです。

直接的な節税対策とは言えませんが、ポイントが貯まるメリットがあります。

クレジットカードによってポイント還元率が変わるため、効率良く貯められるカードを比較検討しましょう。

節税対策3つの注意点

節税対策を行う時に押さえておきたい注意点を3つ紹介します。

効率良く節税するためにも、注意点を押さえて節税に取り組みましょう。

確定申告を期限内に行う

確定申告できる期間はあらかじめ決まっています。

例えば2023年提出分の場合は、2023年2月16日〜2023年3月15日まででした。

確定申告の期限外でも申告できますが、「無申告加算税」というペナルティがあるため注意が必要です。

無申告加算税は、以下のように定められています。

なお税務署から指摘を受ける前に申告した場合は、5％の金額が加算されます。

確定申告の時期はその年によって異なるため、その年の期限をしっかり確認してから行うようにしましょう。

なんでも経費に計上しない

経費として認められないものを計上すると脱税を疑われる可能性もあります。

経費として認められる項目は以下のようなものがあります。

経費で落とす場合は、経費として正当な項目であることを証明できるよう、レシートや領収書を残しておく必要があります。

不要な支払を増やさない

経費が増えれば所得から引けるため、節税対策に役立ちます。

ただ、「なんでも経費に計上するから好きにお金を使える」わけではありません。

経費が増えるということは、出費が増えることとイコールです。

節税できても経費が多すぎて赤字になる可能性もあるので注意してください。

サラリーマンの節税に関するよくある4つの質問

最後にサラリーマンの節税に関するよくある質問に回答します。

スムーズに節税するためにも、疑問や不安をあらかじめ解消しておきましょう。

サラリーマンが税金を減らす方法は？

サラリーマンが税金を減らすおすすめの方法は以下のようなものがあります。

• 控除制度を利用する
• 投資や寄付を行う
• クレジットカードで税金を支払う

投資では不動産投資がおすすめです。

不動産投資では、減価償却費が所得から引けるため、節税につながるメリットがあります。

また家賃による収入が継続して入るため、資産形成するのにも役立ちます。

サラリーマンの節税の限界はいくらですか？

年収850万円超えの給与所得者の給与控除額は195万円が上限です。

控除以外に投資を行ったり寄付を利用したりすれば、さらに税金の負担を軽くすることもできるでしょう。

節税したい場合は、1つの方法だけでなくいくつかの方法を組み合わせて行うことが大事です。

サラリーマンが経費で落とせるものは？

サラリーマンが経費で落とせるものは以下のようなものがあります。

• 通勤費用
• 職務上の旅行費用
• 転居費用
• 研修費用
• 資格取得費用
• 帰宅旅費用
• 図書費用
• 衣服費用
• 交際費等の費用

経費として認めてもらうためには、給与支払者の証明や領収証などが必要になります。

経費に計上する場合は、証拠として保管しておきましょう。

一番得する年収の税金はいくらですか？

1番お得な年収は600万円〜700万円だと考えられています。

税率は20%〜23%でほとんど差がないことや、ある程度所得があるため手元にお金が残りやすいことがその理由です。

サラリーマン節税裏ワザのまとめ

サラリーマンが節税対策をするなら、控除制度や投資、寄付制度などを利用するのがおすすめです。

ただ、どの制度も条件や上限額などが決まっているため、利用できるかどうか事前に確認しておきましょう。

節税するときは、確定申告の期限ないに行うことや経費の種類や使いすぎに注意してください。