不動産投資ローンの金利相場は?借入先ごとに比較しておすすめを紹介

「不動産投資ローンの金利相場はどのくらい?」
「できる限り金利を抑えてお金を借りたい」

不動産投資を検討している場合、上記のように考えている方も少なくありません。

不動産投資は、金融機関から融資を受けることによって、自分の保有資産より多くの金額を投資に回せるメリットがあります。

しかし、お金を借りると金利がかかってしまうので、少しでも金利を抑えてお金を借りたいと考える方がほとんどでしょう。

そこで本記事では、不動産投資の金利相場やおすすめの借入先、不動産投資ローンを低金利で借りるコツなどを解説します。

不動産投資ローンを低金利で組み、不動産投資の利益を最大化させたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

この記事の3行まとめ
  • 不動産投資ローンの金利が最も安い借入先はメガバンク・都市銀行
  • 不動産投資ローンの金利は返済能力と物件価値によって決まる
  • 不動産投資ローンは東京スター銀行がおすすめ
目次

不動産投資の金利相場を借入先ごとに比較

まずは、不動産投資の金利相場を借入先ごとに大別して比較していきます。

スクロールできます
借入先メガバンク・都市銀行地方銀行信用金庫・信用組合ノンバンク日本政策金融公庫
特徴金利は低いものの、審査が厳しいメガバンク・都市銀行に比べて金利が上がり、審査が甘くなる金利は地方銀行と近く、融資を受けられる条件が異なる銀行に比べて金利は高いものの、審査が緩い審査に通りやすく、金利も比較的低い
金利相場1%前後1.5%~4.5%3%前後3%~18%0.45%~3%

メガバンク・都市銀行

メガバンクとは、総資産がおよそ1兆ドルを超える巨大な銀行・銀行グループを指します。

国内では「みずほファイナンシャルグループ」「三菱UFJフィナンシャル・グループ」「三井住友フィナンシャルグループ」が3大メガバンクとして扱われています。

3大メガバンクの金利は、以下の通りです。

スクロールできます
銀行名みずほ銀行三菱UFJ銀行三井住友銀行
変動金利0.375%~0.725%0.345%~0.475%0.475%~0.725%
固定金利1.48%~1.91%(全期間固定11年~35年)1.70%~1.83%(全期間固定31~35年)1.99%~2.89%(長期間固定20年~35年)
※上記表は住宅ローンです

みずほ銀行は、住宅ローンに+1%前後の金利が不動産投資ローンの金利です。

上記のように、3大メガバンクは金利が低いものの、審査が厳しく通りづらいという特徴があります。

住宅ローンは契約者の条件によって金利が定められますが、不動産投資ローンは契約者の条件に加えて物件の属性よって金利が定められるケースが多いことも覚えておきましょう。

地方銀行

地方銀行とは、都道府県を中心に、各地域に集中した店舗展開を行っている普通銀行を指します。

地方銀行は全国に約100行存在しており、以下の横浜銀行やスルガ銀行はその代表例です。

スクロールできます
銀行名横浜銀行スルガ銀行
変動金利0.37%~0.4%0.675%~2.375%
固定金利1.82%(超長期固定金利20年~35年)3.25%
※上記表は住宅ローンです

上記のように、地方銀行はメガバンクに比べて金利が高い傾向にあります。

スルガ銀行は、「セカンドハウス等で利用する場合」のプランでは、金利が1.5%~4.6%です。

メガバンクに比べて住宅ローン・不動産投資ローンともに金利が高まり、その一方で審査が甘くなる特徴があります。

メガバンクで審査が通らなかった場合、地方銀行に申請する流れが一般的でしょう。

信用金庫・信用組合

信用金庫・信用組合とは、中小企業や個人事業主を支援する役割を持つ、地域の金融機関です。

千葉県市川市に本店を置く東京ベイ信用金庫の住宅ローン金利は、変動金利型で0.880%~なので、金利は地方銀行と大きく変わりません。

不動産投資ローンの金利に関しては、多くの信用金庫・信用組合で3%前後なので、比較的低金利で融資を受けられます。

また、それぞれの信用金庫・信用組合によって、融資を受けられる条件は少しずつ異なります。

例えば、都心近くの不動産価格の上昇により、東京ベイ信用金庫の物件評価が厳しくなっている可能性が高いです。

そのため、首都圏で不動産投資を行う際は、より物件価値の高い物件を選ぶ必要があります。

ノンバンク

ノンバンクとは、銀行のようにお金を預かる業務を行わず、お金を貸す与信業務に特化している金融機関のことです。

代表的なノンバンクとして、信販会社や消費者金融、クレジットカード会社が挙げられます。

例えば、代表的な消費者金融のアコムの金利は、3%~18%です。

ノンバンクは審査が緩く融資を受けやすいというメリットがありますが、銀行に比べて金利が高いので、ノンバンクから融資を受けることはおすすめできません。

ノンバンクから融資を受けると、利益よりも金利が大きくなってしまい、取り返しのつかない借金を背負ってしまうリスクが高いです。

どれだけ物件価値の高い物件が見つかっても、ノンバンクでローンを組むことは控えましょう。

日本政策金融公庫

日本政策金融金庫とは、国が100%出資する金融機関であり、「一般の金融機関が行う金融を補完すること」を役割としています。

日本政策金融金庫の金利は、0.45%~3%と比較的低金利です。

日本政策金融金庫の審査は比較的通りやすいものの、普段から自己資金を貯蓄しておかなかったり、事業計画書をきちんと作成しなかったりすると審査落ちのリスクが高まります。

地方銀行や信用金庫・信用組合で審査落ちしてしまった方は、日本政策金融金庫で融資を受けることを検討しましょう。

不動産投資ローンとは?種類や住宅ローンとの違いを解説

ここでは、不動産投資ローンの種類や住宅ローンとの違いを解説します。

それぞれの種類や違いを理解し、適切な不動産投資ローンを組めるようになりましょう。

変動金利と固定金利

まずは、変動金利と固定金利の違いやメリット・デメリットを押さえましょう。

スクロールできます
名目変動金利固定金利
特徴借入期間中に適用される金利が変動する
借入期間中に適用される金利が変動しない
メリット同時期の借り入れで最も適用金利が低い固定金利の間は金利が上昇しても総返済額は変わらない
デメリット金利が上昇すると総返済額が増える同時期の借り入れで最も適用金利が高い

変動金利とは、借入期間中に適用される金利が変動する金利タイプで、同時期の借り入れで最も適用金利が低いというメリットがあります。

しかし、金利の上昇とともに返済額も増えるため、一長一短です。

固定金利とは、借入期間中に適用される金利が変動しない金利タイプで、固定金利の間は金利が上昇しても返済額は変わりません。

一方で、同時期の借り入れで最も適用金利が高いため、借り入れを行った時点では最も損をしていると言えます。

また、変動金利と固定金利の両方を採用したミックス型という金利タイプもあります。

借り入れ時の金利だけを見ると変動金利がお得ですが、金利上昇によって返済額が安定しないというリスクがあるので、不動産投資のプランによって適切な金利タイプを選びましょう。

住宅ローンとの違い

住宅ローンと不動産投資ローンの違いは、以下の5つです。

住宅ローンと不動産投資ローンの違い
  • 借入の目的
  • 融資金額
  • 金利
  • 審査内容
  • 契約方法

第一に、住宅ローンと不動産投資ローンでは、借入の目的が異なります。

住宅ローンは、自宅の購入や増築日に当てるためのローンですが、不動産投資ローンは、不動産投資で収益を得るためのロールです。

それぞれの融資の目的が異なるため、住宅ローンを不動産投資に利用することはできません。

また、融資金額は不動産投資ローンのほうが高額になりやすく、金利も高くなります。

審査内容に関しては、住宅ローンの場合、個人の信用情報を中心に見られるのに対し、不動産投資ローンの場合は信用情報と物件の収益性もチェックされます。

住宅ローンは契約者が居住することが前提なので、法人契約は不可能です。

一方で不動産投資ローンは、家賃収入で利益を得ることを目的としており、不動産収入を得る事業のために利用するため、法人名義での契約が可能です。

仮に、住宅ローンを不動産投資に利用していることが発覚した場合、ローン残債の一括返済を求められるほか、融資先の金融機関を利用できなくなるリスクがあるので注意しましょう。

上昇する?今後の不動産投資ローンの金利推移

結論から言うと、今後の不動産投資ローンの金利は低下する可能性が高いです。

日本が金融緩和政策を続けている間は、金融機関は金利を下げる必要があるので、低い金利で不動産投資ローンを組めるチャンスがあります。

日本はデフレ対策のために、2008年12月に行われたゼロ金利政策再開や2013年4月に行われた量的・質的金融緩和政策などを継続して行っています。

さらに、日銀総裁の植田氏は、2023年9月22日の総裁記者会見で「物価目標の持続的安定的な実現が見通せる状況に至っていない」として、金融緩和政策を継続することを発表しています。

このように、日本全体として金融緩和の動きが続けば、不動産投資ローンも現状の低金利のまま推移する可能性が高いでしょう。

不動産投資ローンのおすすめ借入先ランキングTOP3

不動産投資ローンのおすすめ借入先は、以下3つの銀行です。

スクロールできます
銀行名東京スター銀行ソニー銀行住信SBIネット銀行
特徴勤続1年未満でも利用可能
年収200万円以上から利用可能
最大1億円まで借り入れ可能
借り換えキャンペーン実施中
仮審査はWebで完結
住宅ローン返済中でも利用可能
金利0.85%~3.85%0.397%~2.572%2.98%~8.9%
※ソニー銀行の金利は住宅ローンです

東京スター銀行

東京スター銀行とは、東京都の赤坂に本店を置く第二地方銀行です。

東京スター銀行は、年率0.85%~3.85%の金利で不動産担保ローンを組めるため、低金利で借り入れ資金を投資用に回せます。

「勤続1年未満」「年収200万円以上」「最大1億円まで借り入れ可能」といったように審査基準が緩いので、比較的簡単に借り入れできます。

2023年10月1日時点で公開されている返済シミュレーションは、「借入金額3,000万円」「返済期間30年」の場合、「年率1.85%」で、月々の返済額は108,649円です。

東京スター銀行公式サイトで返済シミュレーションができるので、自分に合った返済計画を見たい方はシミュレーションしてみましょう。

ソニー銀行

ソニー銀行とは、2001年に設立されたソニーファイナンシャルホールディングス株式会社の傘下にあるネット銀行です。

ソニー銀行では住宅ローンを組めますが、不動産投資に利用できる不動産担保ローンは用意されていませんでした。

そのため、ソニー銀行で借り入れをした住宅ローンを不動産投資に利用したい場合には、直接問い合わせてみることをおすすめします。

住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行とは、三井住友信託銀行とSBIホールディングスが共同で設立したネット銀行です。

住信SBIネット銀行では、仮審査はWebで完結する上に住宅ローン返済中でも利用可能なので、他の金融機関から借り入れを行えない方でも借り入れを行いやすいです。

東京スター銀行に比べて金利は高くなりますが、住宅ローン返済中で他の金融機関から融資を受けられない場合には、利用したい金融機関でしょう。

不動産投資ローンを低金利で借りるコツ3選

金利は、金融機関が行う融資審査によって決まり、融資審査では「返済能力」「返済資質」「担保」の3つの観点から行われます。

さらに不動産投資ローンの場合には、物件の価値も審査に含まれるため、上記に加えて収益性の高そうな物件を選ぶことが重要です。

以下3つのコツを押さえ、不動産投資ローンを低金利で借りましょう。

不動産投資ローンを低金利で借りるコツ
  • 頭金の割合を増やす
  • 属性を上げる
  • 収益性の高い物件を選ぶ

頭金の割合を増やす

不動産投資ローンの金利は、頭金の割合を増やせば下がりやすいです。

頭金の割合を増やすと、貯蓄を行えるだけの返済能力や返済資質があるということを証明できるので、金融機関から信頼されやすいメリットがあります。

実際に、融資率90%以下の場合、融資率が90%を超える場合に比べて低金利で融資を行ってくれる金融機関が多いので、借入額の10%以上の自己資金を用意することを目標にしましょう。

属性を上げる

「属性を上げる」とは、自身の信頼性を上げることを表します。

自分の属性を上げることができれば、好条件で借り入れを行えるようになるので、借り入れを行う前は属性を上げる努力が必要です。

属性を上げる方法は、以下の通りです。

属性を上げる方法
  • 年収を上げる
  • 自己資金を貯める
  • 負債を無くす
  • クレジットカードの限度額を下げる
  • 不動産投資の実績を積む

この中ですぐに始められる方法は、「自己資金を貯める」「負債を無くす」「クレジットカードの限度額を下げる」の3つでしょう。

金融機関が恐れているのは融資したお金が返って来ないことです。

そのため、仮に年収が低かったり不動産投資の実績が充実していなかったとしても、返済資質をアピールすることで低金利での借り入れできるチャンスがあります。

属性を上げ、低金利で借りる努力をしましょう。

収益性の高い物件を選ぶ

不動産投資ローンを組む際は、収益性の高い物件を選ぶことも重要です。

住宅ローンは自分の給与を返済に充てますが、不動産投資ローンは家賃収入を返済に充てるため、物件の収益性が返済に直結します。

そのため、収益性の高い物件を選ぶと、低金利で融資を受けられる可能性が高まります。

  • 駅から近い
  • 周囲に騒音が少ない
  • スーパーやコンビニが近くにある

上記の特徴に当てはまると収益性が高まりやすいです。

不動産投資の返済シミュレーションを金利ごとに計算

ここでは、不動産投資の返済シミュレーションを変動金利・固定金利ごとに計算していきます。

変動金利の場合

三井住友銀行の新規借り入れシミュレーションを利用し、以下の条件で金利を計算していきます。

変動金利シミュレーション
  • 借入希望金:3,000万円
  • 金利:0.475%
  • 返済期間:35年
  • 返済方法:元利均等返済

上記の場合、毎月の返済額は7万7,544円、年間返済額93万528円、総返済額は3256万8,480円となります。

不動産投資ローンの多くは変動金利型なので、ローンを組む場合は変動金利と想定しておきましょう。

固定金利の場合

次に、固定金利ローンをシミュレーションしていきます。

固定金利シミュレーション
  • 借入希望金:3,000万円
  • 金利:1.790%
  • 返済期間:35年
  • 返済方法:元利均等返済

上記の場合、毎月の返済額は9万6,176円、年間返済額115万4,112円、総返済額は4039万3,920円となります。

不動産投資ローン金利に関するよくある質問

不動産投資ローン金利に関するよくある質問を3つにまとめました。

不動産投資ローンに関するよくある質問
  • 不動産投資で住宅ローン亜は利用できない?
  • 不動産投資ローンの金利に影響する項目とは?
  • 金利はとにかく安ければいいの?
  • 金利が上がると不動産はどうなる?

不動産投資で住宅ローンは利用できない?

不動産投資で住宅ローンは利用できません。

仮に不正利用が発覚した場合には、どれだけ借入金額があっても一括返済を求められます。

一括返済に対応できない場合には自己破産の可能性もあるので、金利が低いからといって住宅ローンを不動産投資用に利用しないようにしましょう。

不動産投資ローンの金利に影響する項目とは?

不動産投資ローンの金利に影響する項目は、大きく分けると契約者の信頼性と物件の収益性の2つです。

金融機関は「返済されないこと」を最大のリスクとして考えているため、契約者そのものの返済能力に加えて投資物件に収益が発生する可能性が高いかを重要視されます。

また、事業プランも金利に関係するため、事業プランを入念に考えることも重要です。

金利はとにかく安ければいいの?

金利の安い金融機関から融資を受けることは重要ですが、金利が安ければ金融機関は審査が厳しい傾向にあります。

また、変動金利型の不動産投資ローンは金利が低いですが、その名の通り金利が変動するので、数年後に金利が上がった場合は固定金利型に比べて総返済額が高くなるリスクもあります。

金利の高さより、自身の事業プランに合った融資を受けることがより重要と言えるでしょう。

金利が上がると不動産はどうなる?

一般的には、金利が上昇すれば不動産価格は下落すると言われています。

金利が上昇すると景気が冷え込むので、高い家賃を払える人口が減り、入居者が減ると考えられるケースが多いです。

入居者を増やすためには、さらに家賃を下げる必要があり、収益率が下がる結果となります。

不動産投資ローン金利まとめ

本記事では、不動産投資の金利相場や住宅ローンとの違い、おすすめ借入先、低金利で借りるコツなどを徹底解説しました。

不動産投資において、金利の安い金融機関でローンを組めると、投資における利益率が高まります。

自分の属性を高めつつ、収益性の高い物件を選び、低金利で不動産投資ローンを組めるようになりましょう。

目次