「不動産クラウドファンディングの仕組みや特徴はどうなっているんだろう?」
そのような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
不動産クラウドファンディングは、少額から投資を始められるため、近年注目を集めています。
ただし、株式投資やFXに比べて歴史が浅いため、仕組みや特徴について深く理解できていない方も多いはずです。
そこで、今回は不動産クラウドファンディングの仕組みや特徴、他の投資方法との違いについて詳しく解説します。
不動産クラウドファンディンを始めてみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
- 不動産クラウドファンディングは、事業者が投資家からお金を集めて不動産を購入し得た利益を投資家に配当する仕組み
- 不動産クラウドファンディングへの投資は、手間がかからず、放置で完結する
- 不動産クラウドファンディングは、REIT(リート)やソーシャルレンディングと決定的な違いがある
そもそも不動産クラウドファンディングとは
不動産クラウドファンディングとは、インターネット上で不特定多数の投資家から資金を集め、集めた資金を利用して不動産投資を行うサービスです。
1つの物件に対してファンドが形成され、募集期間中に一定以上の資金が集まるとファンドが成立となり、運用が開始されます。
投資対象の物件は、賃貸用の建物や商業ビル、リゾート開発など多岐に渡ります。
不動産クラウドファンディングの利益が配当される仕組み
不動産クラウドファンディングは、事業者が主体となって複数の投資家からお金を集め、集まった資金で事業者が物件を購入し、得た利益を投資家に配当する仕組みです。
不動産クラウドファンディングの事業者になるには、不動産特定共同事業法に基づき、国から許可を得なくてはいけません。
国から許可を得るには、資本金や運営体制など厳しい条件をクリアしなければいけないため、自身のお金を預ける事業者には一定の信頼性があると言えます。
また、不動産クラウドファンディングには、任意組合と匿名組合の2種類が存在します。
任意組合は、投資家が事業者と任意組合契約を締結し、不動産を共同所有する形式です。
事業者は投資家から物件の運用を委任され、期間満了後に分配金が投資家に支払われる仕組みです。
匿名組合と違い、1口10〜100万円必要となるファンドが多く、運用期間も10年以上と長く設定されています。
匿名組合は、投資家が事業者に出資を行い、事業者が不動産を購入して運用する形式です。
任意組合と違い、投資家が実際に不動産を共同所有することはありません。
1口1万円程度の少額投資から始められるだけでなく、運用期間も半年〜2年程度なので、投資初心者の方からも人気を集めています。
不動産クラウドファンディングでは、ほとんど匿名組合形式で募集されています。
不動産クラウドファンディングの特徴6選
続いて、不動産クラウドファンディングの特徴をご紹介します。
不動産クラウドファンディングの特徴は、下記の通りです。
- 1人あたりの投資金額が少ない
- 不動産の運用をプロに任せることができる
- 煩雑な手続きが少ない
- 高い利回りが期待できる
- 投資物件の透明性が高い
- 元本割れのリスクに対する対策がある
不動産クラウドファンディングを始めてみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
1人あたりの投資金額が少ない
不動産クラウドファンディングは、1万円の少額投資からでも始められるため、1人あたりの投資金額が少ないです。
現物の不動産を実際に購入する場合、一般的にかかる費用は数百万〜数千万円必要と言われています。
一方、不動産クラウドファンディングでは、複数の投資家から資金を集めるため1口1万円から募集されているケースが多いです。
不動産投資と聞くと、多額の資金が必要とイメージする方が多いと思いますが、不動産クラウドファンディングであれば少額投資から始められます。
不動産の運用をプロに任せることができる
不動産クラウドファンディングは、国から認可を得たプロの投資家が代わりに運用してくれます。
プロからアドバイスをもらって利益を出す場合、高いコンサル費や必要経費を請求されることが多いです。
一方、不動産クラウドファンディングでは、資金を預けることでコンサル費を支払わずにプロに不動産の運用を任せられます。
「プロの力を借りて投資を始めてみたい」と考えている方は、不動産クラウドファンディングの利用がおすすめです。
煩雑な手続きが少ない
不動産クラウドファンディングの特徴として、煩雑な手続きを行うことなく不動産に投資できる点が挙げられます。
マンションやホテルなど、現物の不動産に投資する場合、管理や維持するためのランニングコストが必要です。
ランニングコストだけでなく、物件の見回りや周辺の不動産価値の推移も把握しなければいけないため、かなりの労力をかけなければいけません。
一方、不動産クラウドファンディングであれば物件管理の手間がかからないだけでなく、ランニングコストの捻出も必要ありません。
お金を事業者に投資し、分配金を待つだけで成立するため、副業を探している方や手間をかけずに投資したい方におすすめです。
高い利回りが期待できる
不動産クラウドファンディングは、高い想定利回りのファンドが多いため、利益を得やすいです。
想定利回りとは、物件を実際に取得した時に得られる利回りを計算した数値のことです。
利回りが高いほど、投資した時に得られる分配金が多くなります。
ただし、あまりにも高すぎる利回りは元本割れが発生するリスクが高まるため、投資する前に物件の情報を必ず確認しましょう。
投資物件の透明性が高い
不動産クラウドファンディングは、投資物件の情報が開示されているため、透明性が高い投資先と言えます。
情報開示の内容は事業者によって異なりますが、築年数や物件住所、入居者の情報が開示されるケースが多いです。
また、より透明性が高い事業者の元で不動産クラウドファンディングを始めたい方は、下記の条件に当てはまる業者を選択することをおすすめします。
- 投資先物件の情報が詳細に記載されている
- 投資家が事業者に関する情報に簡単にアクセスできる
- 運用開始後に定期的にレポートを送信してくれる事業者
特に、運用開始後に定期的にレポートを送信してくれる事業者の元で投資すると、瞬時に投資した物件の状況を把握できます。
事業者と投資家の距離感も近いため、透明性が高い投資方法と言えるでしょう。
元本割れのリスクに対する対策がある
不動産クラウドファンディングでは、優先劣後方式という元本割れのリスクに対する対策が行われています。
優先劣後方式とは、優先部分を保有する投資家は、劣後部分を持つ投資家よりも優先的に配当を受け取れる仕組みのことです。
不動産クラウドファンディングでは、投資家が「優先出資者」お金を集めている事業者が「劣後出資者」と位置付けられており、それぞれの出資金は別々に管理されています。
例えば、劣後割合が30%の場合、30%以下の損失であれば劣後出資者のみ損失が発生し、優先出資者である投資家は元本割れが発生しません。
劣後割合が高くなるほど元本割れのリスクが低下するため、投資するファンドを選ぶ際は必ず劣後割合もチェックしましょう。
不動産クラウドファンディングとREIT、ソーシャルレンディングの違い
この項目では、不動産クラウドファンディングとREIT、ソーシャルレンディングの違いについて解説します。
不動産クラウドファンディングとREIT、ソーシャルレンディングの簡易比較表は、下記の通りです。
不動産クラウドファンディング | REIT | ソーシャルレンディング | |
---|---|---|---|
投資対象 | マンションや商業施設などの不動産 | マンションや商業施設などの不動産 | 融資を求めている企業 |
最低投資金額 | 1万円程 | 1万〜10万円程 | 1万円程 |
流動性 | 低い | 高い | 低い |
価格変動 | なし | あり | なし |
所得の分類 | 雑所得 | 配当所得・譲渡所得 | 雑所得 |
利回り | 3〜8%程 | 3〜6%程 | 3〜8%程 |
メリット | 不動産管理を事業者に任せられる 投資商品の透明性が高い 元本割れリスクの対策がある | 売買差益を得られる 好きな時に売却できる 複数の不動産に分散投資できる | さまざまな事業に投資できる 短期運用ができる 運用の手間がかからない |
デメリット | 募集枠がすぐに埋まる可能性がある | 売却のタイミングによっては損失が生まれる | 投資先の情報開示には融資を受ける企業の協力・同意が必要 |
向いている方 | 不動産の運用をプロに任せたい方 不動産投資に少額から参入したい方 | 自身のタイミングで決済を行いたい方 | 少額から企業に融資したい方 副業感覚で投資をしたいと考えている方 |
それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
REIT(リート)との違い
不動産クラウドファンディングとREIT(リート)の違いとして、証券会社に上場しているかどうかが挙げられます。
REIT(リート)の場合、株式と同じように日々価格が変動しており、自身のタイミングで売買することが可能です。
一方、不動産クラウドファンディングの場合は、基本的に運用期間中の中途解約や譲渡はできません。
また、最低投資金額も不動産クラウドファンディングとREIT(リート)の違いです。
不動産クラウドファンディングの場合、最低1万円程から投資に参加できます。
REIT(リート)の場合は、銘柄によって最低投資額は異なりますが、数万〜数十万円程かかるものが多いです。
ソーシャルレンディングとの違い
不動産クラウドファンディングとソーシャルレンディングの違いとして、貸付先の違いが挙げられます。
不動産クラウドファンディングの場合、投資先はマンションや商業施設などの不動産です。
一方、ソーシャルレンディングの場合は、融資を必要としている企業に調達した資金を提供します。
つまり、不動産クラウドファンディングは不動産の運用益を得られ、ソーシャルレンディングは企業に貸付した利息を受け取るという違いがあります。
また、共同出資かどうかもソーシャルレンディングとの違いです。
不動産クラウドファンディングでは、クラウドファンディング事業者と投資家で共同出資を行います。
共同で出資を行う際に、「優先劣後出資方式」を採用するケースが多く、元本割れのリスクに対する対策が施されています。
ソーシャルレンディングでは、インターネット上で不特定多数の投資家からお金を集めるものの、共同出資することはありません。
元本割れのリスクを少しでも下げたい方は、不動産クラウドファンディングへの出資をおすすめします。
まとめ|不動産クラウドファンディング仕組み
今回は、不動産クラウドファンディングの仕組みや特徴、他の投資方法との違いについて詳しく解説しました。
不動産クラウドファンディングは、少額から始められるだけでなく、元本割れのリスク対策も行なっているため、投資初心者の方におすすめです。
REIT(リート)のような価格変動がなく、不動産投資の運用や管理も任せられるので、手間がかからない投資先と言えます。
スキマ時間で投資を始めたい方や、副業感覚で投資を始めてみたいと考えている方は、不動産クラウドファンディングへの投資を検討してみてはいかがでしょうか。