不動産クラウドファンディングのデメリット・儲からない理由8選!REITや現物不動産などと比較

「不動産クラウドファンディングのデメリットはある?」
「不動産クラウドファンディングのリスクや儲かりにくい理由も知っておきたい」

不動産クラウドファンディングは、小額から投資を始められる手軽さやリスクの低さから、近年注目を集めています。

しかし、不動産クラウドファンディングには、リスクやデメリットがあるのも事実です。

本記事では、不動産クラウドファンディングのデメリットやリスク、儲かりにくい理由などを中心に解説します。

メリットだけでなく、リスク面やデメリットも知っておくことで正しい投資判断ができるようになるので、マイナス面も理解しておきましょう。

この記事の3行まとめ
  • 不動産クラウドファンディングは近年注目を集めている投資手法
  • 元本割れや人気のファンドに投資できないリスクある
  • 1万円の小額から始められるので、不動産投資の経験を積みたい方におすすめ
目次

不動産クラウドファンディングのデメリットやリスク理由5選

まずは、不動産クラウドファンディングのデメリットやリスクから確認しましょう。

不動産クラウドファンディングのデメリット・リスクは以下の通りです。

不動産クラウドファンディングのデメリット・リスク5選
  • 元本割れの保証はない
  • 運用期間中は中途解約できない
  • 人気のファンドはクリック合戦になる
  • 運営会社が倒産するリスクがある
  • 税制上のメリットが少ない

元本割れの保証はない

不動産クラウドファンディングのデメリットとして、元本割れの保証がないことが挙げられます。

定期預金や個人向け国債などの金融商品は元本割れの保証があるので、仮に運用が上手くいかなかった場合も資産を減らす心配がありません。

しかし、不動産クラウドファンディングの運用会社が想定通りの収益を上げられなかった場合、元本割れによってマイナス収支になってしまうリスクがあります。

投資対象の不動産価格が暴落した場合には、想定していた評価額よりも安くで売却しなければならなくなり、結果として元本割れが起こります。

不動産クラウドファンディングは低リスクであるものの元本割れの保証はないので、一定のリスクを背負う必要があることがデメリットと言えるでしょう。

運用期間中は中途解約できない

株式投資や仮想通貨投資などの金融商品は運用に制限がないので、価格が大幅に値下がりして損切りしたい時や値上がりして利益を確定させたい時には、自由に売却できます。

一方、不動産クラウドファンディングは投資期間が決まっており、一度出資すると運用期間中は中途解約できません。

急な支払いが生じたり、手元の資金が乏しくなってすぐに現金化したい場合に売却できないのは、不動産クラウドファンディングを運用するデメリットです。

なお、なかには中途解約できる不動産クラウドファンディングもあるので、途中で売却することを視野に入れたい方にはおすすめします。

人気のファンドはクリック合戦になる

不動産クラウドファンディングは、ファンドに出資できないリスクもあります。

人気のファンドには、募集してから数分で応募が殺到するため、枠が埋まってしまうケースも少なくありません。

出資できないと利率0%で運用しているのと同じなので、実質的に大きな機会損失をしています。

人気のファンドはアクセスが集中するため、自分のインターネット環境が優先されるかは運の要素が強いです。

しかし、Wi-Fi環境を整えたり処理速度が速い端末を利用することで、クリック合戦に勝利できる可能性が高まるので、なんとしても出資したいファンドが見つかれば工夫をしましょう。

運営会社が倒産するリスクがある

不動産クラウドファンディングに参加すると、運営会社が倒産して損失が発生するリスクもあります。

運営会社は、家賃収入や売却益といった不動産投資の利益が主な収入源です。

そのため、運営会社に対する風評被害などが原因で会社の信頼性が下がり、保有しているマンションに空き家が増えたりすると売り上げが下がり、最終的に倒産するケースもあります。

他には、資金繰りが上手くいかなくなって倒産するケースもあります。

このように、不動産クラウドファンディングには、運営会社の倒産によって出資金が回収できなくなり、貸し倒れするリスクも潜んでいます。

税制上のメリットが少ない

不動産クラウドファンディングは通常の不動産投資とは違い、不動産事業の運営者に対して投資をするものなので、税制上の優遇措置がありません。

自分で不動産を購入する不動産投資であれば不動産所得に分類され、所得税・住民税の節税が可能です。

例えば、不動産投資の収入から経費を差し引いて赤字になった場合、赤字分を給与所得から差し引くことができるので、課税対象額を減らすことができます。

一方で不動産クラウドファンディングは、税制上の優遇措置がないため、利益分の税金に対して20.42%の税率がかかり、そのまま納税する必要があります。

節税目的で不動産投資を始めたいという方にとって、優遇措置を受けられないのはデメリットです。

不動産クラウドファンディングが儲かりにくい理由3選

不動産クラウドファンディングはメリットが多い投資ですが、儲かりにくいというデメリットもあります。

不動産クラウドファンディングが儲かりにくい理由は、以下の通りです。

不動産クラウドファンディングが儲かりにくい理由3選
  • 短期間で多くの収益は得られない
  • レバレッジ効果が低い
  • 金融機関の融資を利用できない

短期間で多くの収益は得られない

不動産クラウドファンディングの運用期間は、数か月~3年前後のものが多いです。

比較的短期間ではあるものの、収益性が安定していることから、短期間で多くの収益は得られないという特徴があります。

仮想通貨投資やFXといった投資では、数分の間で価格差が発生することも珍しくなく、数分単位の売買で数百万円以上のお金が動くことも珍しくありません。

一方で不動産クラウドファンディングは、数か月~3年前後の中長期での運用が基本で、短期での売買ができないので、短期間で多くの収益は得られない可能性が高いです。

短期間で多くの収益を得られないのはデメリットのように見えますが、基本的に爆発的な収益が見込める金融商品はハイリスクなので、不動産クラウドファンディングはリスクとリターンのバランスが取れた金融商品とも捉えることができます。

レバレッジ効果が低い

不動産クラウドファンディングは、普通の不動産投資に比べてレバレッジ効果が低いです。

レバレッジ効果とは、少ない資金で大きなリターンを見込める効果のことで、自分が保有している資産以上のお金を動かして大きな収益を発生させられます。

通常の不動産投資では、自己資金が足りない場合は金融機関から融資を受け、目星が付いている物件を購入し、貸し出しを行います。

このように、他人資本を使って自己資金の利益率を高めることをレバレッジ取引といい、不動産投資はレバレッジをかけて大きな収益を見込める投資です。

一方で不動産クラウドファンディングは、自己資金をファンドに投資するため、レバレッジをかけて取引することはあまりありません。

レバレッジ取引を行わない不動産クラウドファンディングでは、大きなリスクを背負えないという特徴があります。

金融機関の融資を利用できない

不動産を購入する不動産投資では、自己資金だけでは足りない場合が多く、金融機関の融資を利用しながら物件の購入を検討するのが一般的です。

金融機関にはメガバンクや地方銀行、ノンバンクなどさまざまで、それぞれ審査の通りやすさや金利の高さが異なります。

金融機関の融資を利用しながら不動産投資を行うことで、レバレッジもかけられますし、長期に渡る不動産の運用が可能になります。

一方で不動産クラウドファンディングは、自己資金で既存のファンドに投資することが一般的なので、金融機関から借り入れを行って投資するケースは少ないです。

そもそも借り入れを行う必要がない不動産クラウドファンディングでは、金融機関を利用できないという特徴があります。

不動産クラウドファンディングのメリット4選

不動産クラウドファンディングのデメリット・リスク、儲かりにくい理由などを押さえたところで、メリットについても確認しましょう。

不動産クラウドファンディングのメリットは、以下の4つです。

不動産クラウドファンディングのメリット4選
  • 小額から始めることができる
  • 利回りが高いファンドが多い
  • 管理の手間はなく、ほったらかし投資が可能
  • 日々の価格変動がなく安定している

既にメリットを理解している方も、デメリットと同時にメリットを確認することで冷静に判断できるようになるので、再度確認しましょう。

少額から始めることができる

不動産クラウドファンディングの最低投資金額は1万円です。

通常の不動産投資では、数千万円以上の資金を動かす必要があるので、その分リスクとリターンが大きくなります。

一方で不動産クラウドファンディングは、1万円から始めることができるので、少ないリスクで投資を始められます。

「投資初心者だから大きなリスクを負うのは怖い」と考えている方にとって、資産運用の入り口として不動産クラウドファンディングはおすすめです。

利回りが高いファンドが多い

投資はハイリスク・ハイリターンのものや、ローリスク・ローリターンのものなど、リスク・リターンのバランスはさまざまです。

不動産クラウドファンディングで期待できる利回りは4%~6%前後なので、他の金融商品と比べても利回りが高いです。

ここで一度、金融商品の利回りについて確認しておきましょう。

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金融商品利回り
銀行預金0.001%
株式投資5%前後
FX10~20%
不動産クラウドファンディング4~6%
J-REIT3~4%

上記のように、不動産クラウドファンディングは比較的利回りが高いです。

ただし、利回りが高ければよい金融商品というわけではなく、FXには深い専門知識が必要ですし、リスクもかなり高いです。

不動産クラウドファンディングは、利回りが高い割にはそれほどリスク高くないので、条件の良い投資と言えます。

管理の手間はなく、ほったらかし投資が可能

通常の不動産投資では、不動産購入後の物件管理が手間となりやすいです。

現物の不動産投資をすると大家さんとして働かなければならなくなり、入居者募集や契約締結、家賃の受領、トラブル・クレーム対応といった不動産管理についての専門知識が必要となります。

一方で不動産クラウドファンディングは、これらの不動産管理業務をすべて投資先の業者が行ってくれるので、一度投資先を選定するとほったらかすことができます。

「管理が面倒くさそう…」と考えている方にとって、不動産クラウドファンディングはおすすめの投資です。

日々の価格変動がなく安定している

株価や為替相場は、経済情勢がそのままチャートに現れるので、数秒単位で少しずつ価格が変動して安定性が低いです。

一方で、不動産クラウドファンディングの運用先となる不動産価格は、1地点につき2名の不動産鑑定士が別々に鑑定を行い、土地周辺の開発状況といった指標を参考に決まります。

不動産の取引価格や公示価格などの基準値によって不動産価格が決まるので、大きな価格変動は起こりづらく安定性が高いです。

このように、土地や物件の価格が変動しづらいため、不動産クラウドファンディングは安定性の高い投資と言えるでしょう。

不動産クラウドファンディングを他の投資と比較

ここまでは不動産クラウドファンディングの良い点・悪い点について確認してきましたが、ここでは他の投資と比較してみます。

不動産クラウドファンディングと比較する投資は、以下の通りです。

不動産クラウドファンディングと比較する投資
  • 株式投資やFX
  • REIT(リート)
  • 現物不動産

株式投資やFXとの比較

株式投資とは、将来性の高い企業に出資することで株式を受け取れ、配当金や株式の売買差益で利益を狙う投資手法です。

FXとは、日本の円とアメリカのドルといった二国間のペア通貨を売買することで、売買差益によって利益を狙う投資手法です。

不動産クラウドファンディングと株式投資・FXのメリットとデメリットをそれぞれ確認してみましょう。

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投資手法株式投資FX不動産クラウドファンディング
メリット比較的安定性が高く、自由に投資手法を選択できる売買によって、短期間で大きな収益を狙える小額から始められ、高い利回りで安定した収益を見込める
デメリット元本割れのリスクがあり、最低売買単価が決められている安定性が低く、短期で大きな損失が発生するリスクがある人気のファンドに投資できない機会損失リスク亜gある

株式投資は比較的安定性が高く、特定の企業に集中して投資できたり、S&P500など複数企業の優良株に投資できたりと、自由に投資手法を選択できます。

しかし、元本割れのリスクもあり、数万円といった最低売買単価が決められているので、初心者の方にとってハードルが高いです。

FXは売買によって短期間で大きな収益を狙えますが、安定性が低い上にトレードに対する高い専門知識が必要なので、初心者にはおすすめできない投資手法と言えます。

上記に対して不動産クラウドファンディングは、1万円という小額から投資を始められ、高い利回りを期待できるメリットがあります。

一方で、人気のファンドはすぐに枠が埋まってしまい、投資できない機会損失が発生するのがデメリットと言えるでしょう。

REIT(リート)との比較

REITとは「Real Estate Investment Trust」の略で、複数の投資家から募った資金をもとに、不動産投資法人が不動産に投資し、そこから発生した利益を投資家に分配する不動産投資信託です。

REITと不動産クラウドファンディングは共通している部分も多いですが、大きな違いはファンドの規模です。

REITは1銘柄の総額が数百億~数千億円に対し、不動産クラウドファンディングは数千万円規模です。

ファンドの規模が大きいREITは短期売買ができるので、売りたい時に売れるというメリットがありますが、規模が大きいため不動産価格が高まっても受けられる恩恵は小さいです。

一方でファンドの規模が小さい不動産クラウドファンディングは、短期売買を行えないデメリットがありますが、不動産価格の向上によって大きな利益を得られるチャンスがあります。

それぞれ一長一短なので、自分に合う投資手法を選ぶことが重要です。

現物不動産との比較

現物不動産は、数千万円以上の大きな資金を投資に回すため、不動産価格や物件価格が下落したときに受ける損失額が大きくなります。

しかし、金利が低い金融機関から融資を受けることに成功したり、将来的に不動産価格が向上しそうな物件を購入できた際には大きな利益を狙えるのが魅力的なポイントです。

物件探しや融資を受けるための事業プランの作成、物件管理といったようにゼロから投資するのが現物不動産投資なので、投資初心者には少しハードルが高いでしょう。

「資産運用のイメージを掴む経験を積みたい」と考えている方は、物件選びから物件管理まで一括で行ってくれる不動産クラウドファンディングを利用して投資することをおすすめします。

不動産クラウドファンディングが向いている人

以下の特徴に当てはまる場合、不動産クラウドファンディングが向いています。

不動産クラウドファンディングの特徴
  • 小額から不動産投資を始めてみたい人
  • 運用に手間をかけずに投資をしたい人

不動産クラウドファンディングは小額から始められる上に、出資金を運用会社が運用してくれるので、リスクを抑えつつ運用に手間をかけたくない方向けです。

詳細は次の見出しで解説します。

少額から不動産投資を始めてみたい人

不動産クラウドファンディングは1万円という小額から始められるため、低リスクで不動産投資を始められます。

不動産クラウドファンディングを利用すると、実体験で不動産投資を経験できるため、「低リスクで不動産投資を経験し、将来的には現物不動産投資を行いたい」と考えている方にもおすすめの投資手法です。

不動産投資に興味のある方や、低リスクで投資を始めてみたい方には、小額から不動産投資を始められる不動産クラウドファンディングをおすすめします。

運用に手間をかけずに投資をしたい人

不動産クラウドファンディングは、運用に手間をかけずに投資したい人におすすめの投資手法です。

物件選びから管理まで一括で行ってくれるので、空室リスクや辛いクレーム対応に悩まされることがありません。

仕事で忙しい人や完全に放置して運用したい方には、不動産クラウドファンディングがピッタリでしょう。

まとめ|不動産クラウドファンディングデメリット

本記事では、他の投資と比較しながら、不動産クラウドファンディングのデメリット・リスクを中心に解説しました。

不動産クラウドファンディングは元本割れや人気ファンドに出資できない可能性があるデメリットがありますが、人気ファンドに人が集まるということはそれだけ多くの人に収益性が期待されているということです。

不動産クラウドファンディングは新しい投資手法なので、今後新たな問題が発生するリスクもありますが、現時点では収益性の高い投資手法として多くの投資家に期待されています。

低リスクで始められるため、不動産投資の経験がない方が投資の入り口として始めるのもおすすめです。

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